HOME きょうだい構成で性格は変わるのか きょうだいげんかが社会性を育てる

きょうだいげんかが社会性を育てる

社会性

きょうだいげんかで親が頭を悩ませるという話は良く聞きます。ののしりあったり、手や足が出たり、うるさいし危ないと思ってつい「やめなさい」と叱ってしまうこともあるでしょう。困ったきょうだいげんかですが、実はこれも社会性をそだてるための訓練となっているのです。

兄と弟が取っ組み合いのけんかをしているとします。一心不乱に戦っているように見えて二人の間にはいろいろな思惑があるのです。兄からすれば弟の力がどのくらいのものか確認しながら絶妙に手加減し、弟はある程度手加減してくれるのを期待しながら立ち向かっていたりするものです。

現代は外でケンカをする子は少なくなりました。友達に少しでもけがを負わせたら大変なことになってしまいます。あの子は乱暴者だというレッテルを張られてしまうかもしれません。しかし兄弟ならそういった心配はありません。

やったりやられたりする中で、悔しい思い、相手を泣かせてしまって反省するなど、様々な体験をしながら他者とどう関わっていけばいいのか学んでいるのです。

三人兄弟以上なら二人がけんかをしているところに、もう一人が仲裁に入るなど、より豊かな体験が生まれることでしょう。

未熟児で生まれた5つ子、社会性の発達は人並み以上だった

鹿児島県で生まれた5つ子ちゃんたちは生まれた時は標準体重の半分ほどでしたが、鹿児島大学のチームが追跡調査したところ4歳半では体格も人並みになり、社会性や生活習慣の面においては7歳程度の水準に達していることがわかりました。運動機能も発達していて6歳程度でできるようになるブランコの立ちこぎなどもできるようになっていたということです。5つ子なら毎日ケンカの起きない日はないでしょうし、大変な苦労もあったでしょうが、みなで競い合いながら立派に成長していたことがわかります。

一人っ子に社会性を身に着けさせるには

一人っ子にみな社会性がないかというと決してそういうわけではありませんが、きょうだい間で切磋琢磨する体験がない分、社会性の獲得において不利なことは否めません。実際きょうだい関係のアンケート結果を見ると、「相手に本音を言えない」「引っ込み思案である」という項目で、自分にあてはまると答えたのは一人っ子が一番多かったのです。対人関係でいまひとつ踏み込めない不器用さがうかがえます。

一人っ子の社会性を育てるためには、いろいろな子供たちの中に入れて経験を増やしてあげることが大切。いとこと遊ばせたり、近所の家族と親密な付き合いをしたり、子供会などの組織に入れてあげることです。できればいろいろな年代のこどもと接することができればなおよいでしょう。

そこで気を付けたいことは、自分の子供が不利益な扱いを受けたとき、例えばおもちゃをとられたり、意地悪なことを言われたときに過剰に子供を守らないこと。子供たちの世界に大人がむやみに介入しないことです。相手の子に注意をしたり、親に文句をいったりしては子供が自発的に行動する機会を奪ってしいます。

何かあった時にそこからどうすればいいか学ぶことが大切なのです。もちろん危険なことはやめさせるべきですが、そうでなければ子供の学びだと思ってがまんして見守ってあげます。また、そういった経験をさせるためには親同士の信頼関係も大切です。一人っ子を育てる場合は親自身も人間関係を深めていくことが大切です。

一人っ子は縦割り保育の幼稚園や保育園を選ぶとよい

家庭の中で一人っ子でも小さい子から年長さんまでおなじクラスで活動する縦割り保育の園にいれると兄弟の疑似体験をすることができます。入園した年はいちばん年下ですから、上の子たちからかわいがられたり、またときには高圧的な態度を取られるかもしれませんがそれもまた学びです。年中さんになると年下、年上両方との関わり合いを体験することができます。年長になると年下の子たちをリードする役割をまかされることも多いはず。そこでリーダーシップや小さい子へのいたわりのこころが芽生えます。

たった1歳か2歳違いの子供たちですが、幼児期ではかなり発達の違いが表れます。自分より年上の子のまねがしたくてがんばったり、自分が楽々できることが年下の子には難しいということがわかり、手助けすることを覚えたり。年上の子が小さい子のお世話をすることが多くなるので、先生方に全体を見渡す余裕が出てくるのも良い点です。

子供が複数いる親はそれぞれのこどもに注意が分散するので、こどもたちの欠点もそれほど気にならなくなります。それぞれの子に良い所と悪い所があり、それが個性というものだとわかってくるからです。しかし、一人っ子の親は自分のこどもの短所に目が行きがちで、煮詰まってしまう人も多いようです。ぜひたくさんの子供たちの中に入れてあげて、自分のこどもが良い面をたくさん持っていることに気づいてほしいものです。