HOME きょうだい構成で性格は変わるか? なぜきょうだい構成が性格に影響するのか?

なぜきょうだい構成が性格に影響するのか?

きょうだい構成が性格に何らかの影響を与えることは、さまざまな研究で指摘されています。長子かそれ以外か、きょうだいの性格はどうだったか、はたまた何人兄弟だったか…さまざまな要素が絡み合って、私たちの人格を形成するようです。

きょうだいにおけるポジションが持つ「役割」

役割 きょうだい構成は、心理学でも重要な意味合いを持ちます。心理学的には、親子は「縦のつながり」、兄弟は「横のつながり」を意味しており、そこで得た経験が後の友人付き合いや恋愛などにも影響すると考えられているのです。

まず重要になるのが、「きょうだい構成の中で与えられる役割」です。たとえば「あんたはお兄ちゃんなんだから…」と言われて育てられれば、否が応でも「面倒見のいいしっかり者でいなくちゃいけない」という気持ちになります。

これは日本で広まっている血液型占いにもいえるかもしれません。「A型はマジメ」「B型はマイペース」などというステレオタイプな人間像を幼いころから叩き込まれてしまうと、本来の性格はどうであれ、そのように近づきやすくなるのでしょう。

何番目に生まれたかによって、親の注目度が違う!?

また、きょうだい関係には「親の注目をいかに浴びたか」というシリアスな事情も存在します。 一般的に、長男や長女は何かと怒られ、下のきょうだいの手本になるよう育てられますので不自由なイメージがあるかもしれませんが、逆に「親を独り占めできる時間が長い」というメリットもあります。

また親にとっても、やはり最初の子というのは特別な存在です。妊娠期間はその子のことばかり考えていられますし、生まれてからも何かと手をかけるでしょう。 このことが子どもの人生に与える影響は、意外に大きなものです。

それにまつわる、非常に興味深いテレビ番組がありました。NHKで放送されている「ハーバード白熱教室」の中で、マイケル・サンデル教授がハーバード大学の学生たちに向かって、「この中で長男・長女の人は手を挙げて」と呼びかけました。 すると、なんと7~8割の学生が手を挙げたのです。

つまり、学生たちは「ハーバードに入れたのは自分の努力のたまもの」と思っているけれど、実は長子であったという事実が大きく関係している、ということを示唆しているのです。

もちろんすべての家庭がそうだとは言えませんが、「どうしても上の子の教育にかける時間とお金のほうが多かった」というケースは、意外に多いと思われます。このような面でも、きょうだい構成は重要な意味を持っているのです。

きょうだい仲の良さは、その後の対人関係に影響する?

また「きょうだい仲が良かったどうか」も、人格やその後の人生に影響を与えます。 きょうだいとは、生まれて初めて築く横のつながりです。ですからそこで居心地良く過ごせた人は、その後の人生でも友人や仲間と協力し合いながら和気あいあいとやっていける可能性が高くなります。

しかしきょうだいの中で自分ひとりだけ孤立するなど、どうも折り合いが悪かった人は、社会に出てからも他人と慣れ合いを好まない一匹狼的な性格になりやすいようです。

実際カウンセリングの現場では、対人関係の悩みの中に、きょうだい関係の悪化がキーとなっているケースがあるといわれています。親子の場合は一度こじれても、「自分を産んで育ててくれたんだから…」と、どこかで許せる気持ちになる瞬間があるのですが、きょうだいですとなかなかそのような機会もないままに歳をとってしまうものです。

自分でも気づいていなかった、きょうだいに対するわだかまりが、実はそれ以外の人間関係にも影を落としていた…そんなケースは実際に多いのかもしれません。

きょうだいのキャラが正反対になる理由とは?

さらにきょうだい関係では、「きょうだいがどんな性格か」というところも大きなポイントになります。 よく「きょうだいは正反対の性格になりやすい」といわれますが、それは相手を見て育つからです。たとえばマジメだけれど要領が悪い兄や姉を見て育った弟や妹は、自分は怒られないように器用な性格になります。 逆に自由奔放で好き勝手に生きている兄や姉を見て育った弟や妹は、「自分だけはしっかりしないといけない」と思うようになるのです。

これは、きょうだいが「親の愛情をめぐって争うライバル関係」であることが原因と考えられます。誰もが無意識のうちに、「敵とあえて違う方法をとることで、親の愛を勝ち取ろう」とするのでしょう。

その意味では、ライバルのいない一人っ子はのびのびと育つことができ、よくいえば無邪気でマイペースな性格になりやすいのかもしれません。

きょうだいの人数や性別も関わってくる!

他にも、「何人きょうだいだったか」「同性だったか異性だったか」などによっても、人格に与えられる影響は異なってきます。

たとえば3人兄弟では、よく「真ん中の子だけが独特の個性を持つ」といわれますが、それは長子でもなければ末っ子でもないため、親の目が届きにくいから、というのが一因です。 ですから自分の世界に没頭したり、「何か目立つことをして関心を惹こう」としたりする子が多く見られます。

またきょうだいが同性ばかりのところで育った人は、異性に対する誤ったイメージを抱きやすいといわれます。たとえば男だらけのきょうだい構成だった場合、家の中に母親しか女性がいませんので、同い年くらいの女性の実態を見ることなく成長します。

その結果、「女性とはこういうものだ」という美しい誤解が芽生えやすく、実際に恋愛が始まるとちょっとしたことで幻滅したりする人が多いようです。特に母親がきちんとした人だった場合は、なおさらその傾向が強いでしょう。 このように、きょうだい構成が人格に与える影響は非常に多様であり、奥深いものなのです。