HOME きょうだい構成で性格は変わるのか 非行に走りやすいのは長男?それとも一人っ子?

非行に走りやすいのは長男?それとも一人っ子?

きょうだい構成と問題行動には関連がなかった!?

非行 きょうだい構成と青年期の問題行動との関連性を調査した研究結果があります。これ東北大学の学生グループが行った調査です。大学の学生に対してアンケートを行った結果、結論的には一人っ子であろうが、長男・長女であろうが、末っ子であろうが青年期の問題行動を起こす確率には関わりがなさそうであることがわかりました。

この結果により、一人っ子は甘やかしてしまうから非行に走るとか、長男・長女はがまんさせることが多いから非行に走るといった論理は通用しないことになります。子供を育ててみるとやはり、一人っ子は過干渉になりがちですし、まん中の子には手をかけられないなど親の対応が多少変わってきてしまうのは誰もが実感するところです。ですが、同じ親が育てる以上子供が非行に走るほどの違いは出ていないということでしょう。

この結果を見る限りでは親は兄弟関係による育て方の違いについて、過剰に心配することはないことがわかります。

一番問題行動が少ないのは甘やかされて育ったこども?

このアンケート調査の中で興味深い結果が導き出されています。きょうだい構成と非行に関してはほとんど関連性がないことが分かったのですが、親の養育態度と子供の問題行動にはかなりはっきりとした関連性が見受けられました。親、特に母親の養育態度を独裁型、無視型、甘やかし型、溺愛型の4つに分けて分類した場合、子供が反社会的行動に走りやすいのは独裁型でした。ここでいう反社会的行動とはアンケート項目に記された「家出」「授業をさぼる」「いじめをする」「ものにあたる」などの行為です。

なんでも親の言うとおりにすることを強要された子供は、小さいうちは言うことを聞くかもしれませんが、思春期、青年期になって自我が確立する頃になると非行に走ることが多いようです。続いて反社会的行動に出やすいのは無視型、溺愛型も僅差で続きます。そして一番問題行動の少なかったのが甘やかし型で育てた子供です。一般的に教育上甘やかしはよくないといわれていますが、世間一般的な考えとは真逆の結果が出たことはとても興味深いことです。

ただ、あまりにきつい独裁型教育や無視がこどもに悪影響を与えるのは想像に難くありません。特に凶悪犯罪で逮捕される青年を見るとやはり母親から独裁的な養育をされていたという背景が見えてきます。

甘やかしと溺愛の違いとは

甘やかし型で育てられた子供はもっとも非行に走りにくいことがわかりましたが、溺愛型で育てられた子供は無視型と同じくらい非行に走る率が高くなっています。これはどういうことなのでしょうか。

論文の中では甘やかしの定義が示されていませんが、おそらく甘やかされて育ったと答えた学生は自分の意志を尊重され、認められるという経験を重ねてきた人たちなのではないでしょうか。例えば「自分がやりたい」と思ったことはできるだけかなえてもらえた、甘えたい気持ちを大抵かなえてもらえたということだとおもいます。

溺愛とは辞書に「やみくもに愛すること」と記載されているとおり、相手の意思におかまいなく、自分が愛したいように愛するという行為なのかもしれません。さほど欲しくないものを買い与える、自分が希望する前に先回りしてやってあげる、これらはみな溺愛なのではないでしょうか。

中間子は独裁型の養育を受けていることが多い!?

きょうだい構成と反社会的行動にはあまり関連性がないと結論付けられた論文の中に、ちょっと気になる箇所がありました。それは一人っ子、長子、末子、中間子で分けられた兄弟構成の中で、中間子だけ「独裁型」で育てられたと回答した学生が多かったことです。その他の学生はほとんど差がありませんでしたが中間子だけ「独裁型」が多かったのはどういうことなのでしょうか。

父親、母親両方とも「独裁型」が多い中間子。たいてい要領よく手のかからないのが中間子の特徴ですが、そのため親の期待が大きくなってしまうのでしょうか。長子は初めての子で何かと手をかけるので甘やかし型が多く、末っ子は子育てに余裕のできた親から愛されて育ちます。中間子は「がまんしている」という意識が強いのかもしれません。しっかりしているがために何かと用事を頼まれたり、頼りにされていることを負担に感じているかもしれません。中間子を育てるにあたっては常に気を配り、意識して十分に甘えさせてあげることが大切なのではないでしょうか。

父親に無視されていると感じている一人っ子

もうひとつ突出していたデータは、一人っ子に対する父親の養育態度に「無視型」が非常に多かったことです。これは母親にはあまり見られない傾向です。一人っ子だと母子の結びつきが強く、父親との接触が少なくなるからでしょうか。母親が他の子供の世話をしている間、父親が一緒に遊ぶというシチュエーションが生まれないのも理由なのかもしれません。

一人っ子を持つ男性はなるべく子供とのスキンシップを増やすよう心掛けたほうがよいと言えるでしょう。