HOME 世界のこども事情 出生率1.07%、超少子化の台湾の子育て事情

出生率1.07%、超少子化の台湾の子育て事情

結婚したくない、子供を持ちたくない女性が多い台湾

台湾台湾も日本と同様女性の高学歴化がすすんでいます。現在、女性の大学・短大卒割合は男性より高くなっています。女性の社会進出もめざましく、男女間の給料格差は少なくなり、失業率に至っては男性よりも女性の方が低くなっています。日本では子育て世代の30代から40代の女性の就業率が低く、就業率のグラフはM字型の曲線を描いています。かつては台湾もそうでしたが、今は山形の曲線へ変化しています。

台湾政府が20代から30代の女性にアンケート調査したところ、結婚を望んでいない女性は24.9%という結果でした。男性の方は10.7%なので女性の方がより結婚を望まない人の割合が高いことがわかります。

結婚を望まない理由は「独身主義か、独身を楽しんでいるから」という理由が26.7%で「経済的な理由」が16.2%、「めんどくさそうだから」というのが14.6%となっています。これらの理由は日本の女性が結婚を望まない理由と一致する部分もありそうです。経済的に自立していて結婚しなくても暮らしていけるし、結婚することで自分の時間が減ったり、自由に使えるお金が減ることを懸念しているようです。

女性の高学歴化にともない、教育水準の低い男性は結婚が困難となりました。その結果2003年には外国籍や中国大陸・香港・マカオ出身者との結婚が31.8%にも上っています。そのあとは徐々に減っていきましたが、2010年でも15.4%となっています。

日本の3分の1の給料と2分の1の物価

台湾の給料は日本の約3分の1程度ですが、その割に物価が高いようです。そのため、経済的理由から結婚や出産に前向きになれない人も少なくありません。男性の場合、結婚を望まない人の理由の第一位に「経済的な理由」(39.1%)が挙がっています。男性も女性も高学歴化が進んでいるので、子供の教育費も考えなければならず簡単に結婚して子供を作ろうとはおもえないのでしょう。

台湾の子育て事情(幼児期まで)

台湾では専業主婦は少なく共働きが一般的です。家事も夫と平等に行う家庭が多いようです。また、出産から2カ月程度でほとんどの人が復職するのだといいます。子供はどこに預けるかというと、近くにいる場合は祖父母、そうでなければ保育園や幼稚園、または個人で預かってくれる保母さんに頼むことになります。

保母さんを雇う人も多く、平日のほとんどの時間を保母さんと過ごす子供も少なくはありません。平日は昼夜保母さんに預けっぱなしで週末だけ子供と過ごす場合も。そのため必然的にしつけも保母さんが行うことになります。

日本では長時間子供を預けることに罪悪感を覚える母親が多いようですが、台湾の母親は「しつけもしてくれて楽」「預けて働いた方が精神状態が良く、子供にもやさしくなれる」といい、あっけらかんとしているのが印象的。まわりも同じような状況なのでそれがあたりまえのようです。

保母さんの給料は安いわけではなく、母親の給料の大半が保母さんを雇うために使われることもあります。

家族みんなで子育てをするのがあたりまえの文化

家庭においても子供の世話は家族全員でやるのが普通です。祖父母と暮らしていれば祖父母も孫育てをしますし、父親も育児をします。子煩悩な父親が多いようですが、台湾の企業は日本と同様ハードですので、一緒にいる時間はあまりとれないのが実情。

その分祖父母の出番は多くなります。台湾では子どもは宝という意識が強く、一族で面倒をみるのがあたりまえです。平日は祖父母宅に泊まり、休日だけ親子で過ごすという家庭もたくさん見られます。

満3歳になると幼稚園に入園することができます。共働きの多い台湾の幼稚園には夏休みや冬休みなどの長期のお休みはなく、延長保育も充実しています。

台湾の教育事情

台湾も日本と同様習い事や塾に行っている子供が多いようです。英語や日本語などの語学や音楽などが人気です。遅くまで仕事をしている両親に変わって祖父母宅に帰る子もいます。メジャーなのは「安親班」と呼ばれる塾と学童保育が合体したような施設。放課後は学校まで迎えに来てくれ、給食のない日はお昼が出て、おやつも食べ、宿題をして塾の授業も受けられるようになっています。日本の学童保育と比べるとサービスがとても充実しています。

小学校では1年生から英語とコンピューターの授業が行われます。詰め込み式の教育方法で国際的に通用する人材を育てようとしています。それについては批判の声もあがっており、少し前の日本のようにゆとり教育を求める声もあるそうです。

ほとんどの人が大学まで行く台湾。そうなると大学はピンからキリまでということになりそうです。少しでも良い大学に行けるように塾に通わせる親が多くなっています。ちなみに日本の東大に値するようなトップ校は台湾国立大学。台湾が日本の統治下にある時代、日本が作った大学です。

台湾の子育ては日本と違って大変肩の力が抜けたもののように感じます。社会全体で子供を育てているのがわかります。しかし、子育てにお金がかかるのでたくさん子供を持つことは難しいようです。