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お隣の国、韓国の子育て事情

出生率1.19人、日本より深刻な韓国の少子化

韓国

日本も少子化が問題とされていますが、それにもまして少子化が深刻なのが韓国です。2013年の合計特殊出生率は1.19人で超少子化社会へと突入しそうな勢いです。1980年には2.83人であった出生率が半分以下になっているのはなぜでしょうか。

29歳から33歳までの女性が減り、晩婚化で二人目を産まない女性も増えているといいます。

韓国も日本と同様女性の社会進出が増えており、その結果晩婚化が進んでいます。仕事をしながら育児をするための環境がまだ整っていないことも原因となっているようです。韓国の教育熱の高さは世界的にも有名。高校進学率はほぼ100%ですし、2005年現在での大学進学率は82%と高い値を示しています。子供の養育にお金がかかるのも少子化の原因となっているでしょう。

政府も子育てと仕事を両立させるための支援策を実行していますが、なかなか効果が出ない状況があるようです。韓国では日本以上に男が子育てに参加するという意識が薄く、母親の負担は大きくなっています。ようやく最近になって20代から30代の若いお父さんの意識が少しずつ変わりつつあるようです。しかし、日本と同様育児休暇を取得する父親はごく少数に限られています。

出産に見られる韓国独自の習慣

韓国は現在でも旧暦を用いており、縁起の良い日にものごとを行うのが通例となっています。結婚・出産に関してもそれはあてはまります。韓国では2006年に結婚するカップルが増えていますが、これは2006年が「双春年」にあたりとても縁起の良い年とされていたからだといいます。2012年は60年に1度の強い運気に恵まれる「黒竜の年」で出生数が一時的に上がるという結果になりました。

その反動で2013年は出生率が落ち込んだという見方もあります。 出産の日を縁起のいい日に合わせたいという妊婦さんが多いことから帝王切開を選択する人が多くなっています。

また、韓国では産後の女性は2週間程度安静にしておかなければならないとされているので、退院後は専用の施設に入り療養するか、自宅にお手伝いさんを呼んで家事や育児を手伝ってもらいます。産後処理院という産後のお母さんのための施設では3食に加えておやつや夜食が用意され看護師さんが24時間体制で赤ちゃんのお世話をしてくれます。夜泣きに悩まされることもなく、お母さんはゆっくりと体を休めることができます。他にはマッサージや赤ちゃんの育て方講座、ヨガなどいたれりつくせりの内容。日本のお母さん方にはうらやましいぐらいの対応です。

また、産後専用のお手伝いさんを派遣する会社も存在し、低所得の家庭には国からの補助金も支給されます。家事や育児の手伝いだけでなく、産後の身体を回復させるためのマッサージなどもやってもらえます。

幼児から始まっている受験戦争

受験戦争は幼児期からはじまっています。韓国では2歳ごろから英語などの塾に通う子も少なくないと言います。小学生で海外留学する子も増えています。子供とお母さんが海外に住み、お父さんは韓国で働いて仕送りをしているのだそうです。

一流の大学に入れれば、将来安泰であると考える親が多いようですが、ひと昔前の日本の 姿とよく似ているようにも思えます。調査によると韓国の小学生の75%が塾に通っており、中学生で70%、高校生では約46%となっています。小学生は1週間に約7時間、中学生は約11時間、高校生は約7時間半です。

大学受験を控えているはずの高校生の塾勉強の時間が少ないのは高校の補習授業が遅くまであるから。補習授業が9時間目までありそのあとは自習時間です。3年生の特進クラスでは22時まで拘束されることも珍しくはありません。

こんなに学校で勉強していても、さらに塾に通っている子供がいるわけです。超のつく長時間勉強で子供たちの心身は疲れ切っています。夏休みも自主学習の時間が確保されていますから、どこにも自分の時間がないのではないかと思えます。その年代なりの友達との付き合いや趣味に費やす時間を持つことは難しそうです。部活などはどうしているのか気になりますが、調べてみると部活動は存在しないようです。とにかく将来のために今を犠牲にしている状況のようです。

そうして小さいころから受験に駆り立てられてきた子供たちはうつ病にかかるケースも多く、若年層の自殺や自殺未遂も増えているようです。学校でうつ病のチェックを行い、症状が認められる子供にはカウンセラーを紹介するなどの対策をとっています。

驚くべき韓国の教育費の高さ

韓国の教育費は小学生で日本の5倍、中・高生でほぼ2倍となっています。学校の授業料よりも塾に費やすお金が多くなっているのが特徴です。子供一人にこれほどの教育費がかかるとすれば、よほどのお金持ちでない限りたくさん子供を持つことは不可能でしょう。

受験戦争の過熱ぶりにはやりすぎの感がいなめません。子供たちの心身の疲労が心配になってくるほどです。このような教育によって韓国の状況はどう変わっていくのでしょうか。今後も注視していきたくなります。