HOME 現代の子作りは大変です 男性不妊の問題~男性側に考えられる不妊原因とは?

男性不妊の問題~男性側に考えられる不妊原因とは?

男性不妊 不妊の原因は、女性ばかりにあるわけではありません。WHOが発表したデータによると、不妊原因のうち24パーセントは男性側の問題だとされています。 精子の異常のほか、ED(勃起不全)なども男性不妊の一因となります。

もっとも深刻な精子トラブル「無精子症」

男性不妊の多くを占めるのが、精子のトラブルです。数が少ない、もしくは運動率が悪いなどの問題があります。 その中でも、もっとも深刻といわれるのが「無精子症」です。通常、1度の射精で放出される精子は1~4億匹といわれますが、無精子症では精液の中に1匹も精子が存在しません。ですから精液の色も透明に見えることが一般的です。

無精子症の原因としては、まず精子の通り道(精路)が閉塞していることが考えられます(閉塞性無精子症)。たとえば以前に尿路の感染症にかかったことがある男性、もしくは鼠径ヘルニアやパイプカットなどの手術を受けたことのある男性に多く見られます。

一方、精路には問題がない「非閉塞性無精子症」もあります。こちらは、たとえば男性ホルモンがうまく分泌されなかったり、造精機能そのものに異常があったりするタイプです。

無精子症の場合、自然妊娠は難しいのですが、精巣で精子さえ正常に作られているのならば妊娠の可能性はあります。精巣に直接針を刺して、そこから精子を採取することができるからです。 理論上は、1匹でも正常な精子を採取できれば、それを使って体外受精や顕微授精をおこなうことができます。 また原因がホルモンの分泌不全にある場合は、ホルモン注射によって解決する可能性もあります。

男性不妊の原因となる、その他の精子トラブル

無精子症とまではいかなくても、精子の数が通常より少ない「乏精子症(精子減少症)」もあります。「精液1ミリリットル中、精子が2000万匹以下」が基準です。 それでも自然妊娠できる可能性はゼロではありませんが、特に1ミリリットル中100万匹を下回る場合には顕微授精の対象になります。

また、数ではなく運動率に問題がある「精子無力症」もあります。精液中の精子の運動率が50パーセント未満の場合です。 軽度であれば薬で効果を得られることもありますが、それができない場合は運動率のいい精子を採取して、人工授精や体外受精をしたほうが妊娠の可能性は上がります。

上記のほか、精子がまったく動かない「精子不動症」や、精子の一部に形態異常が見られる「奇形精子症」などもあります。いずれにしても精子の異常は男性不妊の代表的な原因ですから、なるべく早めに検査を受けたいところです。

射精障害も、男性不妊の一因に!

男性不妊の中には「射精障害」もあります。 たとえば、精子が尿道ではなく膀胱に向かってしまう「逆行性射精」が代表的です。原因としては糖尿病による筋肉の機能低下や、以前に受けた腹部の手術による神経損傷などが挙げられます。

人によっては、薬物療法で改善が見られる場合もありますが、それが難しい場合は膀胱に入った精子を直接回収して人工授精する方法が選択されます。ただし精子は尿と混じり合うと運動率が落ちますので、事前に膀胱をきれいにした上で射精(マスターベーション)をおこなうことになります。

他には、「膣内射精障害」というものもあります。これはマスターベーションでは射精可能であるのに、女性との性行為で膣内射精ができない状態です。 原因としては、マスターベーションによる強い刺激に慣れ過ぎたために、膣での摩擦で射精ができなくなってしまうことが考えられます。また精神的な緊張感などが関わっているケースもあるようです。 どうしても膣内射精が難しい場合は、人工授精などの方法が検討されることになります。

EDによる男性不妊も急増中!

他に考えられる男性不妊としては、ED(勃起不全)もあります。 EDの中でも、体に勃起を阻害する原因があるものを「器質性ED」と呼びます。たとえば加齢や生活習慣病などによる血管の異常や、性的興奮を伝える神経の障害などです。

一方、精神的なものから来る「心因性ED」もあります。たとえば仕事のストレスや性行為へのプレッシャー、トラウマなどが原因です。 心因性EDは体に異常があるわけではないため、年齢に関わりなく起こる可能性があります。特に最近のストレスフルな現代男性には、非常に増えているEDです。

EDの治療としては、現在ED治療薬の使用が第一選択となっています。日本ではバイアグラ、レビトラ、シアリスという3つの薬が認可されているほか、2014年からはより価格の安いバイアグラジェネリックも発売されています。 これらの薬は血管を拡張させる作用がありますので、特に血管のトラブルによるEDに効果的です。また心因性のEDに対しても、一定の効果が認められています。

ただし神経に問題がある場合は、ED治療薬では十分な効果が期待できませんので、性的興奮なしに勃起をうながすことのできる「陰茎海綿体注射(ICI療法)」などが選択されます。

このように男性不妊にはさまざまな原因があります。男性にとって生殖能力を調べるための検査を受けることには抵抗もあると思いますが、少しでも時間をムダにしないためにも、なるべく早くから夫婦いっしょに検査を受けることが大切です。